ごあいさつ
長い歴史の中で培われた優れた技術の蓄積があり、それを駆使して日々あらたな美を創造していく。美容はそんな素晴らしい仕事です。
私が身を置く能の世界にも六百年伝え継がれてきた型や技術があり、厳しい修業を通じてそれを修めることは能を志す者にとって大切な基本となっています。しかし、一見シンプルに見える能の舞台も、決して単なる「型の再現」ではありません。能楽師として立つ舞台は、時代も季節も時間も毎回異なり、お客様も違う。その一期一会の舞台でその場にふさわしい舞を舞うことに能楽師は向き合い続けています。
そうして紡ぎ出される表現を、能楽の祖・世阿弥は「花」という言葉で表しました。積み重ねた技術の上に心をのせて、その時その場に向き合い咲かせるものなのだ、というのです。
美容という仕事も、まさしくそうした「花」を咲かせ続ける仕事と言えるでしょう。
日美では、基本の技術をしっかり身につけるだけではなく、十人十色のお客様の期待に応える感性や創造力を鍛える学びをとても大切にしています。それは皆さんが将来、一美容師としてサロンという舞台で日々違うお客様の前に立った時、お客様の喜びや感動をいただける“舞を舞う”、すなわち作品を生み出し続けられるための、大切な準備です。
ぜひ、伝統ある日美でしっかり美容を学び、世にたくさんの花を咲かせられる、そして自分自身も咲かせることのできる、立派な美容師への一歩を踏み出してください。
今、社会はとても速いスピードで変化しています。SNSやAIの発展により情報があふれ、科学技術が夢のような便利さや楽しさを広げてくれる一方で、大昔から変わらない生身の私たち自身の、心や体はどこか置き去りになってしまいがちのようにも感じます。さらに不安定な世界情勢や自然災害の増加など、不安を感じる出来事も増えてきました。
そんな時代だからこそ、すべての人ひとり一人の心に寄り添い、個性に向き合い、明るく前向きな気持ちを届けることができる「美容の仕事」は、ますます大切な存在になっていると私たちは考えています。
本校を卒業した多くの先輩たちは、それぞれの場所で日々お客様を迎え、美容の仕事の魅力や可能性を広げ、社会の中で活躍しています。私たちは、そうした卒業生とのつながりを大切にしながら、美容を目指す人たちが世代を超えて学び合い、支え合える学校であり続けたいと考えています。
創立時から受け継がれてきた「美容を通じて近代の叡智を築く」という建学の精神のもと、本校では技術や知識を身につけるだけでなく、感性を刺激し、自分自身の可能性を広げ、一人ひとりが自分らしく輝ける環境を大切にしてきました。
日美には、美容が好きな仲間が集い、基礎となる技術と知識をしっかり学びながら、将来はさまざまな分野で活躍できるよう、バラエティに富んだカリキュラムが用意されています。時代の変化に対応しながら、美容の力で社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
「美容が好き」。その気持ちを大切にしたいと思っている皆さん。ぜひ日美の仲間として、ここから新しい一歩を踏み出してみませんか。皆さんとお会いできる日を、心より楽しみにしています。