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今回は、ちょっと風変わりな面白いサロンを紹介しよう。
戦争、テロ、暴動、異常気象と、世界中が暗い出来事ばかりのこの頃、陽気で愉快なサロンやプライベートでくつろげるサロンの情報にホッと一息して頂きたい。
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一風変わったその特殊さがうけてテレビでも取り上げられたサロン、アンティケア。「アンティケア」とは、アンティークとヘアを組み合わせた造語。その名の通り、アンティークのブティックと美容が一緒になっている何ともユニークなサロンだ。ヴィンテージの腕時計で埋め尽くされたショーウインドウには、『髪も切れます』と書いてある。
オーナーのロビー・ジョフォ氏は、ミスター・ジョフォと呼ばれるにふさわしいジェントルマン的風貌。多才で人生を謳歌してきた生粋のフランス人で、今でも58歳の青春を思いっきり楽しんでいるといった感じだった。
色々な種類の時計、凝った額縁の油絵、インディアンの彫像、古い武器、ピストル、ギター等々、ところ狭しと飾ってあるサロン内。彼の愛好するオブジェと、友情と家族愛が混じり合い、とてもホットな雰囲気。「来る人たちは、皆仲間さ。ここが嫌いな人は来ないからね。(笑)」 人の出入りは絶えない。通りすがりに挨拶していく人、電話が鳴れば、「私からも宜しく伝えて」とお客様から声がかかる。
アンティーク愛好家、美容師、そしてミュージシャン、三つの才能を持つロビー・ジョフォ氏。「記事を読んでくれた人の中に、私と話をしたい人がいるかもしれないから」とフレンドリーにメールアドレスをくれた。
(robyjoffo@wanadoo.fr)「ぜひ、連絡してください。でも、日本語は出来ないから英語でね。」と小粋に微笑むミスターだった。
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あくまでもプライべート、秘密の隠れ家的サロンの先駆者、『アトリエ・ド・ドナト』。サントノーレ通りにある有名セレクトショップ『コレット』のすぐそば。重い扉をくぐると、外の雑踏とした空気とは違う、ピュアなバイブレーションを感じる静寂な空間が広がる。
「もっと個性を大切にするスタイルを提案したい。」と、ドナトは言う。「『マス(大衆)』マーケットはフランチャイズの形で美容界を独占し、同じものを打ち出すために個性を重要視しないので、どのサロンへいっても見分けつかない程似通っている。まして、これからの若いジェネレーションはインターネット等を通して、もっと情報過多で沢山のビジュアルが反乱する時代を生きることになるのだ。ウィッグをつけたり、パソコンで手直しされた創りものなど、まやかしのビジュアルが反乱する中で、将来の若者は本物を探すために原点に戻ろうとするだろう。」と推測。
求められるものは、世界やモードの動向を理解出来る観察眼。世のアーティストがそうであるように、ドナトもまた、時代の流れに敏感だ。良い美容師は、時としてお客様が自分でも知らない本来の自分を見出し、引き出すためのスタイルを考えてくれる。でも、ドナトはその人の心の準備ができていなければ無理は決してしない。「女性にとって髪を切るのは、身体の一部、例えば指を切られてしまうのと同じくらい重要なこと。」ただ髪を切るためにカットする美容師と、その人の意志を大切にして、人格の一部であるヘアスタイルをクリエイトする美容師との大きな違いが表れている一言だった。
ドナトは、恥ずかしそうに目線を下げる。でも、その眼差しの奥に光るものは、やはりアーティストの鋭い感性、職人としてのポリシーと誇り、そして何をおいても女性の美をエスコートするスタイリストとしての優しさだった。
(レポーター 日美パリオフィス 岡田小夜里)
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