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エレガントの形容詞がピッタリのパレ ロワイヤル。王宮と呼ばれるこのこの宮殿は、ルイ13世の宰相をしていたリシュリューが1624年に建設して以来、幼少期のルイ14世、7月王政のルイ・フィリップ、ナポレオンの弟などが住んでいた。そしてフランス革命時には革命派の溜まり場となったなど、フランス激動の歴史の見取り図のよう。1939年には生涯の恋人・美男俳優ジャン・マレーと詩人コクトーが、又、名女優ジャンヌ・モローも住んでいた。1986年には、ミッテラン大統領のパリ改造の大プロジェクトとして南側の中庭にダニエル・ビュランの『Les Deux Plateaux』という白黒のストライプ模様の現代美術の作品が設置された。そして今では、回廊で囲まれた静かで落ち着いた庭園に、有名なMarcJacobs、IBU ギャラリー、何とも独特で卓越した美学を持つSerge Lutens、素敵なアンティーク美術品的古着屋Didier Ludot等が並ぶ。
こんなに素敵なパレ ロワイヤルだからこそ、パリにはこの場所しかないと考えて3年前にオープンした「トレ コンフィドンシエル(「とても親密な」の意)」。美容という職業を、今までと違った形でしたかったと、オーナーのベルナール・フリブーレ。自分がいつも夢いていたような、人目や、外の喧騒から遠ざかった空間に挑戦。パレ ロワイヤルの庭園は、木々、植物、その建築デザインからも、その雰囲気が求めているものにピッタリであった。女優の使う楽屋のように、アトリエのように、というコンセプト。セット面の鏡の周りには、普通楽屋にあるようなランプが並んでいてとても明るい。カーテンで外から中が見えないので、飛び込みや一見客はなく、噂や、雑誌に記載された記事を見て人が集まる。
彼の素晴らしいところは、アーティストというだけではなく、慈善事業団体とともに後進国において、親と死に別れたり、捨てられたりして娼婦を強いられてきた少女達の集められる施設で、美容の素晴らしさ伝え教え、職業訓練をしていること。過去を手放し生きる意欲を、自分への自信を取り戻せるように、まずは、歩き方や笑うことから教える。彼女達の中には、美容師をめざす者も少なくないだろう。「自分に合った場所」が大切、というベルナール。そんな空間で、自分自身を慈しみ大切にしてみたくなった。
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インテリジェンスとシックなモードが混じり合うサンジェルマン デ プレ界隈の一画にあるサロン ボナパルト。オーナーのステファン・フォルレイは、その鋭い感性で一目を置かれている。ナント出身の彼は、15歳から美容に興味を持ちこの世界に入った。見習い生として掃除、シャンプーから始め、もちろん基礎から叩き込まれた。「誰もが通る重要な通り道だ。それなしでは、けして良い美容師にはなれない。」
美しくそして、快適さが求められる時代。活発な毎日の生活の中で、仕事があり、子供の面倒も見なければいけない時間がない女性達。服は、着るだけで美しいもの、ヘアは手入れが簡単で手がかからず、カットの巧妙さで6週間から10週間保つものが必要とされている。「時が経つことによって、10週間後により美しくなる事もある、そんなカットスタイルを目指しているんだ。良い質感、量感、それによって生まれるボリューム感。トレーニングをし、たえず新しいものを探し続け、それを顧客に提案できるキャパシティーを広げる事が大切。」彼のテクニック、考え方は、経験と探求、感性そして、出会いによって生まれた。マニアティスに働いた、マサトが独自のテクニックを持っていたように、彼らから、又、サスーン・JLダビッドから少しづつ吸収して、その上に自分のスタイルを重ね合わせた。
自分特有のテクニックを編み出す為にはどうしたら?の質問に、ステファンの答えは、「情熱」の一言。 「この職業は、情熱がなければできない。人に言われた事よりもより多くをしなければならない。顧客が求めるもの、それ以上を提供する事が必要。」
「ただ生活のために働く、などという考え方では無理。それだけなら、美容というこの難しい職業を選べない。人とのコンタクト、サービス業でもあるから、どんな時にも親切に笑顔で。人の気持ちが分からなければいけない心理的な部分も持っている。全てにおいて簡単とはいえないからこそ、情熱がとても重要だ。」 「人より抽んでた美容師に出会ってきたが、皆、稼ぎのみにこだわらず、絶えずベストを尽くし見返り以上の仕事をする、一番の情熱家たちであった。美容もある水準以上になると、そうでなければそれに見合う仕事ができない。この職業への深い『愛情』が、彼らを後押しするのだ。」
「進めば進む程、たえず疑問を投げかけ続けるようになる。20年間髪を切り続けているけれど、毎日に学びがある。自分の仕事は、まだまだ完成したとは言えないから、学び続けたい。」
「美容は、マジック(魔法的)な職業だ。医者の他に、人に触れられる仕事は少ない。非常に『幸運』なことだと思う。」
「こんなに恵まれた職業なのに、商業中心なスタンダードで世界どこでも似通っている美容のイメージにがっかりさせられる。そんな美容界にストレスすら感じる。サロンも、20年前と変わらない姿で存在しているのが大部分。型にはまった悪いイメージのレッテルを貼られた『美容師』になりたくない。そんな『美容師』と呼ばれない美容師になる為に、目先を変えて考えるべきだ。『モダンさとは何か。今何が求められているのか。』変化を不安に思い、拒むのではなく、勇気を持って前進してほしい。」
自分を見極め、明確な強い意思の持ち主であるステファンからの素晴らしいメッセージだった。
(レポーター 日美パリオフィス 岡田小夜里)
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